NISAで買った株なのに、配当金の明細を見たら税金が引かれていた。国内の株なら、引かれているのはたいてい20.315%です。多くの場合、原因は株ではなく配当金の受け取り方の設定にあります。
このページでは、税金が引かれる理由、引かれた分はどうなるのか、次の配当から非課税にするにはいつまでに何をすればよいかを、2026年10月時点の日本証券業協会と証券会社の案内をもとに順に整理します。
先に結論
- NISAの株の配当を非課税にするには、受け取り方を「株式数比例配分方式」(証券口座で受け取る方式)にしておく
- 引かれてしまった税金は、あとからさかのぼって非課税にはできない
- 米国株の配当は、受け取り方に関係なく米国で10%引かれる。NISAではこの分を取り戻す方法がない
- 受け取り方は、配当の基準日より前に変更を終えておく。今回の配当に間に合わなくても、次の配当からは非課税になる
税金が引かれる3つの理由
① 受け取り方が「株式数比例配分方式」になっていない
上場している株の配当(ETF・REITの分配金も同じ)の受け取り方には、次の3つがあります。
- 株式数比例配分方式:証券会社の口座で受け取る
- 配当金領収証方式:届いた領収証を、ゆうちょ銀行や郵便局に持っていって受け取る
- 登録配当金受領口座方式など:指定した銀行口座で受け取る
NISAの株の配当が非課税になるのは、株式数比例配分方式だけです。ほかの2つでは、NISAで買った株でも20.315%(所得税・住民税の20%と、復興特別所得税)が源泉徴収されます。
どの方式も選んだ覚えがない、という人もいると思います。楽天証券の案内では、どこの証券会社でも受け取り方を登録していないときは、配当金領収証の方式になります。口座を作ったときのまま、設定をしていなかった場合はここに当たります。
なお、NISAで買った投資信託の分配金は、この手続きをしなくても非課税です。
② 米国株などの外国株は、現地で税金が引かれる
NISAで非課税になるのは、日本の所得税と住民税です。外国の株の配当は、その国で先に税金が引かれ、これはNISAでも引かれます。米国株なら10%です。
特定口座や一般口座なら、確定申告の「外国税額控除」で、この外国の税金の分を取り戻せることがあります。ただ、NISAでは日本の税金がかかっていないので二重にかかっていることにはならず、外国税額控除は使えません。受け取り方の設定で防げるものでもないので、米国株の配当の10%は、NISAでも引かれるものと考えてください。
③ ほかの証券会社で受け取り方を変えた
受け取り方の登録は、証券会社ごとではなく、持っている株全部で1つです(証券保管振替機構、いわゆる「ほふり」に登録されます)。証券会社ごとに別の方式を選ぶことはできません。
そのため、NISAの口座がある証券会社で株式数比例配分方式にしていても、あとからほかの証券会社で銀行口座での受け取りなどに変えると、NISAの株の配当も銀行口座で受け取ることになり、税金が引かれます。証券会社を増やしたときや、ほかで受け取り方を変えたあとに引かれ始めたなら、ここを疑ってください。
引かれた税金は取り戻せる?
受け取り方のせいで国内の株の配当から引かれた税金は、あとからNISAの非課税に戻すことはできません。ふつうの口座で受け取った配当と同じ扱いになります。
源泉徴収で税金の手続きは終わっているので、確定申告をする必要はありません。そのうえで、ふつうの配当と同じく、確定申告で次のどちらかを選ぶこともできます。
- 総合課税を選んで、配当控除を受ける
- 申告分離課税を選んで、特定口座や一般口座で出た株の売却の損と相殺する(損益通算)、または前の年までの損を差し引く(繰越控除)
申告して得になるかどうかは、その年の所得やほかの口座の損益によって変わり、人によって答えが違います。このページでは「選べる」というところまでにします。申告するかどうか迷うときは、税務署に相談してください。
米国株の10%は、②のとおりNISAでは取り戻す方法がありません。
次の配当から非課税にする
受け取り方を株式数比例配分方式に変えれば、次の配当から非課税で受け取れます。変更はNISAの口座がある証券会社のサイトからできます。1つの証券会社で変えれば、ほかの証券会社の受け取り方もそろって変わります。
いつまでに変えればよいか
その配当を非課税で受け取るには、配当の基準日(権利確定日)までに、変更の手続きが終わっている必要があります。手続きにかかる日数は証券会社によって違います。
楽天証券の案内では、次のとおりです(2026年10月時点)。
- 決算日(その日は含めない)の2営業日前の15時30分までに変更の手続きをし、ほふりで受け付けられれば、その決算期の配当から変更後の受け取り方になる
- 営業日の15時30分より後に手続きをすると、次の営業日の受け付けになる
- ほふりで変更が終わるまで、通常3〜4営業日かかる
ほかの証券会社を使っている人は、その証券会社の「配当金の受取方法」の案内で締め切りを確かめてください。基準日の直前に変えると間に合わないことがあるので、配当が引かれていると気づいた時点で変えておくのが確実です。
画面での確かめ方と変え方
私の楽天証券の口座では、「お客様情報の設定・変更」→「各商品に関する設定」の「国内株式」→「配当金受取方法」で、いまの受け取り方が「証券口座でのお受取り(株式数比例配分方式)」と出ていました(2026年10月)。
楽天証券の画面でいまの受け取り方を確かめる方法と、変え方は、楽天証券の配当金の案内ページと国内株式配当金受取方法変更の使い方にあります。画面は変わることがあるので、変え方の手順はこちらでは写さず、公式の案内に任せます。
信託銀行などの「特別口座」に株が残っている場合は、株式数比例配分方式を選べないことがあります。心当たりがあるときは、証券会社に相談してください。
税引き前と後の利回りを見比べる
税金が引かれると、手元に入る配当はその分だけ減ります。たとえば、1株2,000円で100株買い、1株80円の配当が出る株なら(数字はダミーです)、次のようになります。
| 1年の配当(100株) | 取得利回り | |
|---|---|---|
| 非課税 | 8,000円 | 4.0% |
| 税引き後 | 6,375円 | 約3.2% |
たる坊ワークスの無料ツール「取得利回り・トータルリターン電卓」では、銘柄ごとに、買った値段に対する配当の利回り(取得利回り)と、値上がり益に受け取った配当を足したリターン(トータルリターン)を出せます。
- 「年間配当」に税引き前の1株の配当を入れると、非課税で受け取れたときの取得利回りになります
- 「受取配当累計」に、口座に実際に入った額(税引き後)を入れると、引かれた分を除いたトータルリターンになります
計算はブラウザの中だけで行い、入力した数字はどこにも送りません。
ツールを開く(取得利回り・トータルリターン電卓)まとめ
- NISAの株の配当が非課税になるのは、受け取り方が株式数比例配分方式のときだけ。登録していなければ、配当金領収証の方式になっていることがある
- 受け取り方は全部の証券会社で1つ。ほかの証券会社で変えると、NISAの配当にも税金がかかる
- 引かれた分はさかのぼって非課税にできない。確定申告で総合課税か申告分離課税を選ぶことはできるが、するかどうかは人による
- 米国株の配当は、NISAでも米国で10%引かれ、外国税額控除は使えない
- 変更は配当の基準日より前に終える。日数は証券会社ごとに違う
出典:日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」・楽天証券「国内株式配当金受取方法変更の使い方」「配当金」「外国税額控除」・SBI証券「よくあるご質問」(いずれも2026年10月に確認)