楽天証券の画面には、新NISAの生涯投資枠1,800万円の「残り」をそのまま表示するページが見当たりません(2026年9月時点)。取引履歴のCSVを保存して無料ツールに読み込むと、生涯投資枠の残り・成長投資枠の残り、それに今年売った分が戻ったあとの翌年の枠まで、次のような画面で確かめられます。会員登録は要りません。

このページで紹介するのは、たる坊ワークスの無料ツール「NISA 生涯投資枠の残り計算」です。自分が楽天証券で残りを確かめられずに困ったので作りました。
ツールを開く(NISA 生涯投資枠の残り計算)楽天証券で生涯投資枠の残りが見つからない理由
生涯投資枠1,800万円は、いまの評価額(時価)ではなく、買ったときの値段(簿価)で管理されています。画面に大きく出ているのは評価額なので、そこから1,800万円を引いても残りにはなりません。
さらに、売却した分の枠がすぐには戻らないことも計算を難しくしています。売った年のうちは使えず、翌年になってから、売った商品の簿価の分だけ戻ります。いつ・何を・いくらで買って、いつ売ったかをたどらないと、正しい残りは出ません。
2026年からは、利用額を知らせる「特定累積投資勘定基準額等通知書」が金融機関から届くようになりました。ただし中身は前年末時点の利用額なので、今年に入ってからの買付や売却は含まれていません(くわしくは最後の節)。
取引履歴のCSVには、この計算に必要な買付と売却がすべて載っています。ツールはそれを読んで、上の計算を自動で行います。
取引履歴のCSVはどこにも送信されません
取引履歴には、持っている銘柄や金額がそのまま載っています。ネットのツールに読み込ませて大丈夫か、気になるのは当然だと思います。
このツールでは、CSVの読み込みから計算・表示まで、すべてあなたの端末のブラウザの中で行われます。ファイルをサーバーに送る処理は、ツールの中にそもそもありません。
- 取引の明細(銘柄名や1件ずつの取引)はツールの中に保存しません
- 次回のために残るのは、計算結果の年別の表(年ごとの合計額)だけです。これもあなたのブラウザの中に残るだけです
自分で確かめるなら、ツールのページを開いたあとで端末を機内モードにしてみてください(パソコンならWi-Fiを切る)。通信が切れた状態でも、CSVの読み込みから結果の表示まで最後までできます。
楽天証券で取引履歴CSVを保存する
ツールに読み込むのは、楽天証券の取引履歴のCSVです。国内株式と投資信託は別々のファイルになるので、使っているほうを(両方使っていれば両方を)保存します。
スマホで保存するときは「PCサイト表示」に切り替えます。スマホ向けの画面のままではCSVを保存できないので、ブラウザのメニューからPC版サイトの表示に切り替えてから、ブラウザで楽天証券にログインしてください。切り替え方はブラウザによって違います。
国内株式の取引履歴
- 楽天証券にログインして、マイメニュー から 取引履歴 を開く
- 国内株式の取引履歴を選ぶ
- 期間を指定して、CSVで保存する
投資信託の取引履歴
国内株式と同じく取引履歴の画面から、投資信託の取引履歴を選んで、CSVで保存します。つみたて投資枠で投資信託を積み立てている人は、こちらが必要です。
期間は2024年1月から今日まで
期間は新NISAが始まった2024年1月1日から今日までにしてください。
期間が足りないと、たとえば2024年に買って2026年に売った銘柄の「買ったときの値段」が分からず、売却で戻る枠を計算できません(その場合はツールが警告を出します)。
2023年以前の旧NISAや特定口座の取引が混ざっていてもかまいません。ツールが自動で除外します。
ツールで生涯投資枠の残りを確認する(3ステップ)
1. CSVを読み込む
ツールのページで CSVファイルを選ぶ を押し、保存したCSVを選びます。国内株式と投資信託の2つを一緒に選べます(パソコンならドラッグ&ドロップでも読み込めます)。楽天証券のCSVはそのまま読み込めます。Excelなどで開いて保存し直す必要はありません。
読み込むと、何件のファイルを読んだか、NISAの対象外として除外した取引が何件あったかが表示されます。
2. 結果の見方
ここからは、次のような人を例に説明します(数字はダミーです)。
- 2024年・2025年は、つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円を毎年使い切った
- 2026年は、ここまでにつみたて投資枠で90万円・成長投資枠で180万円を買った
- 2026年に、成長投資枠の株を売った。その株を買ったときの値段(簿価)は60万円

いちばん大きな数字:いま使える生涯投資枠の残り
「810万円」は、1,800万円から、これまで買った額(つみたて330万円+成長660万円=990万円)を引いた額です。今年あと何円分買えるか、の生涯側の上限にあたります。
60万円分を売っていますが、今年売った分はまだ戻っていない扱いなので、810万円には足していません。そのかわり、すぐ下に「→ 2027年には870万円に戻る見込み(今年売った分 +60万円)」と出ます。今年売っていなければ、この行は出ません。
横棒:1,800万円の中身
- 左から伸びる青がつみたて投資枠で使った分(330万円)、右から伸びるオレンジが成長投資枠で使った分(600万円)、あいだの灰色が残り(810万円)です
- 斜線は今年売った分(60万円)です。売った枠の側(この例では成長)の色で、灰色の隣に描きます。灰色と斜線を合わせたところ(810万+60万=870万円)が、翌年の枠です
- 棒の上の括弧は、成長投資枠が届く範囲です。成長投資枠は1,200万円までなので、右端から1,200万円、つまり600万円の位置で止まります
- 600万円の位置の点線が、つみたてと成長の境目です。青がこの線を超えると、超えた分だけ成長投資枠に入れられる額が減ります
棒の下には、色ごとの金額が並びます。
下の2つの枠
- 成長投資枠の残り(540万円):上限1,200万円から、成長投資枠で使った分を引いた額です。今年売った60万円もまだ戻っていないので、1,200万−(600万+60万)=540万円になります。生涯投資枠の残りのほうが少なければ、そちらに合わせます
- つみたて投資枠:600万円の線まで(あと270万円):点線まであといくらか、です(600万−330万=270万円)。ここまでなら、成長投資枠の1,200万円を減らさずに済みます。線を超えていれば「〇〇万円 超過」と赤で出ます
今年NISA枠で新しく買えるのは、生涯投資枠の残りと、今年の年間投資枠の残りの、どちらか少ないほうまでです。今年の年間投資枠の残りは楽天証券のアプリやサイトで見られるので、このツールでは出していません。
3. 年別の表を確かめて、必要なら手で直す
結果の下に、年ごとの表が出ます。上の例なら、こうなります。
- つみたて投資枠・成長投資枠で買った額(簿価)
- つみたて投資枠・成長投資枠で売った分の簿価(売却代金ではありません)
- その年末の簿価残高(買った額の合計から、売った分の簿価を引いたもの)
2026年末の簿価残高は930万円です。1,800万円からこれを引いた870万円が、上の「2027年には870万円に戻る見込み」と一致します。
表の数字は手で書き換えられ、書き換えると上の結果もすぐに変わります。「うまくいかないとき」のメッセージが出た場合や、ほかの金融機関のNISA口座も使っていた場合は、ここで直します。+ 年を追加 で行を足し、行の右端の × で行を消せます。
この表は次回ツールを開いたときにも残っています。来年は、CSVを読み込み直せば更新できます。読み込むと表はまるごと置き換わるので、CSVは2024年1月からの期間で保存し、手で直した分があれば読み込んだあとにもう一度直してください。
新NISAの枠の考え方(2026年9月時点の制度)
ツールが何をしているかを、制度の側から説明します。ここに書くのは、金融庁や日本証券業協会が公表している内容に沿った、2026年9月時点の制度です。ツールの画面の下にある「枠のルール」の図3枚と同じ順に並べています。
① 枠を使うのは買った値段(簿価)
生涯投資枠(正式には「非課税保有限度額」)は1人1,800万円で、簿価(買ったときの値段)で計算します。100万円で買ったものが130万円に値上がりしても、枠が減るのは100万円だけです。値下がりしても枠は戻りません。購入手数料は含みません。
② 売った分は翌年に戻る
NISA口座の商品を売ると、翌年以降に、売った商品の簿価の分だけ枠が戻ります。売った年のうちは、戻る分をまだ使えません。
戻るのは売却代金ではなく簿価です。たとえば、ある株を2,718円と2,582円で1株ずつ買い、あとで2株まとめて売ったとします。いくらで売れたかに関わらず、翌年に戻るのは買ったときの合計の5,300円です。
一部だけ売ったときは、ツールでは平均の取得単価×売った株数を戻る額として計算します。上の例で1株だけ売ったなら、平均取得単価2,650円×1株で2,650円です。取引履歴を古い順にたどって、銘柄ごとに平均取得単価を出しながら計算しています(金融機関の計算とは、端数などでわずかにずれることがあります)。
③ 成長投資枠は1,200万円まで
1,800万円のうち、成長投資枠で使えるのは1,200万円までです。つみたて投資枠だけなら1,800万円まで使えますが、成長投資枠だけで1,800万円を埋めることはできません。
言いかえると、つみたて投資枠で600万円(1,800万−1,200万)を超えて使うと、超えた分だけ成長投資枠に入れられる額が減ります。ツールの横棒の点線と、「600万円の線まで」の枠は、この境目を見せるためのものです。
年間投資枠は売っても戻らない
生涯投資枠とは別に、1年に買える上限(年間投資枠)があります。つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、合わせて年360万円です。こちらは売却しても戻りません。
売却で生涯投資枠が戻っても、翌年以降に買い直せるのは年間投資枠の範囲内です。一度に大きく戻っても、1年で使い切れるとは限りません。
旧NISA(2023年まで)は1,800万円とは別枠
2023年までの一般NISA・つみたてNISAで買った分は、1,800万円の外側で管理されます。旧NISAで持っている商品があっても、新NISAの生涯投資枠は減りません。ツールも旧NISAの取引は自動で除外します。
株式分割で株数が増えても枠は減らない
株式分割は、買ったときの値段の合計(簿価)はそのままで、株数だけが増える手続きです。簿価が増えないので、生涯投資枠も余計には減りません。
楽天証券の取引履歴では、分割で増えた株が「入庫」として出てきます。ツールは、入庫の単価と分割後の株数から分割だと判断できたものは、枠を使わずに株数だけ増やします。
楽天証券以外の人・CSVがない人は表に手入力で
ツールのCSV読み込みは楽天証券の形式に合わせています。ほかの証券会社や銀行を使っている人も、年別の表に手で入力すれば同じ計算ができます。
- 取引報告書や取引履歴の画面から、年ごと・枠ごとに買った額の合計を出す
- 売ったものがあれば、売った分の簿価(買ったときの値段。売却代金ではない)を年ごとに出す
- ツールの表の、その年の行に入れる(上の表の画像と同じ形になります)
空欄は0として計算します。入れるのは評価額ではなく簿価です。
途中で金融機関を変えた人
NISA口座は1人1口座ですが、年単位で金融機関を変えられます。変える前の金融機関のNISA口座に残っている分も、1,800万円に含まれます。楽天証券のCSVには前の金融機関の取引は載っていないので、前の金融機関で買った額(売った分があればその簿価も)を、その年の行に手で足してください。
うまくいかないとき
CSVを読み込んだあと、ツールがメッセージを出すことがあります。出たメッセージごとの対処です。
「売却の前に買付が見つからなかったので、枠の復活を計算できませんでした」
売却した銘柄の、買ったときの取引がCSVに入っていません。ほとんどの場合、CSVの期間が足りていません。2024年1月1日から今日までの期間で保存し直して、読み込み直してください。
期間を直しても出る場合は、下の「入庫」のメッセージが出ていないかも見てください。
「株式分割ではない入庫(合併・株式交換など)で、買ったときの値段が分かりませんでした」
合併や株式交換などで、持っていた銘柄が別の銘柄に置き換わった場合に出ます。元の銘柄を買った額は計算に入っているので、生涯投資枠の残りはそのままで大丈夫なことが多いです。
ただし、置き換わったあとの銘柄を売ったときは、戻る枠をツールが計算できません。売った年の行の「売った分の簿価」に、手で足してください。
「必要な列が見つかりませんでした」「『銘柄コード』も『ファンド名』も見つかりませんでした」
取引履歴ではない別のCSV(保有商品の一覧など)を選んでいる可能性があります。楽天証券の 取引履歴 から保存したCSVを、そのまま選んでください。
「NISA口座の取引が1件も見つかりませんでした」
選んだCSVの期間に、新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)の取引がありませんでした。期間の指定を確かめてください。
「生涯投資枠の対象外として除外した取引」と出る
これはエラーではありません。2023年までの旧NISAの取引や、特定口座・一般口座の取引は1,800万円に関係しないので、計算から外したという知らせです。
前回入れた数字が消えている
年別の表はブラウザの中に保存しています。プライベートブラウズ(シークレットモード)で開いている場合や、ブラウザの履歴・サイトデータを消した場合には残りません。別のブラウザや別の端末で開いたときも引き継がれません。CSVを読み込み直せば、同じ表がもう一度できます。
正確な数字は「特定累積投資勘定基準額等通知書」で
このツールの結果は、取引履歴から計算した目安です。売却したときの簿価の計算方法や、端数の扱いが、金融機関の管理と完全に一致するとは限りません。
正式な利用額は、金融機関から届く「特定累積投資勘定基準額等通知書」で確かめられます。2026年から始まった通知で、前年末時点の
- 特定累積投資勘定基準額(つみたて投資枠+成長投資枠の利用額)
- 特定非課税管理勘定基準額(そのうち成長投資枠の利用額)
が記載されます。他の金融機関のNISA口座で使った分も含めた額です。届く時期や方法(郵送か、ログイン後の画面か)は金融機関によって違います。
通知書は前年末時点なので、通知書の数字に今年の買付と売却を足し引きしたものが、いまの状態です。ツールの年別の表で、前年末の「その年末の簿価残高」が通知書と大きくずれていないかを見比べると、計算の確かめになります。
まとめ
- 楽天証券には生涯投資枠1,800万円の残りをそのまま見るページが見当たらないが、取引履歴CSV(2024年1月から今日まで)を読み込めば計算できる
- 結果は大きな数字が「いま使える残り」。今年売った分は斜線で描かれ、灰色の残りと合わせたものが翌年の枠
- 枠を減らすのは簿価。売った分は、翌年に簿価の分だけ戻る
- 成長投資枠は1,200万円まで。つみたてが600万円を超えると、その分だけ成長に入れられる額が減る
- 年間投資枠(つみたて120万円・成長240万円)は売っても戻らない。旧NISAは別枠
- ほかの金融機関の人・前の金融機関の分は、年別の表に手で入れる
- 正式な数字は「特定累積投資勘定基準額等通知書」で確かめる